Acanthopagrus berda


スズキ目タイ科ヘダイ亜目

このページでは、磯釣り、防波堤釣りで最も人気の高いクロダイについて紹介します。

 も く じ
1.分 布
2.形 態
3.生 活
4.利 用
5.地方名
6.エサ
7.乗っ込み黒鯛攻略方法
8.仕掛け (随時追加)






1.分布
北海道以南、朝鮮半島南部、中国の渤海、黄海、台湾に分布しているが、琉球列島、伊豆諸島にはいない。変わりに奄美,琉球列島には同種のミナミクロダイという固有種がいる。そのほかに同種としてナンヨウチヌ、キチヌがいる。

クロダイ


ナンヨウチヌ


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2.形態
体は楕円形で、よく測扁する。吻(口)はやや尖る。両顎前部に3対の門歯状犬歯が、測部には3列以上の臼歯がある。クロダイは背鰭キョク状部中央下の上方横列鱗数が6枚と多く、多種と区別される。体は銀白色または暗灰色。幼魚時代には6〜7本の横縞があるが、成長につれ縞は薄れていく。
全長は60cmに達する。(記録では69.5cm⇒70cmオーバーが釣れたとの噂を聞いたことがあるが、本当かどうかは不明)




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3.生活
産卵期は春から夏で南で早く、北で遅い。産卵水温は16.5〜22℃で、産卵は夜に行われる。卵は直径0.8〜0.95mm、油球1個の分離浮性卵である。水温19℃、40〜45時間で孵化する。成長は一般に遅く、1年で12cm,2年で19cm、3年で23cm、4年で28cmに達し、40cmに成長するには約7年もかかる。幼魚ほど塩分濃度の低い湾内や汽水域にいる傾向が強い。

クロダイの性転換は有名で、9cmまでは性的未分化、10〜27cmでは雌雄同体の両性魚となり、春には雄として機能する。次の年には雄として成熟する固体もあるが、大部分が雌に分化し、卵巣が成熟する。

仔稚魚は内湾や岩礁域の藻場などで生育し、甲殻類の幼生などを食べる。成魚は小型甲殻類から多様な大型の動物をエサにするが、海藻類も食べ、貧食で雑食性が高い。

クロダイは環境、低塩分、水温の適用範囲が広く強い魚である。

回遊では陸岸沿いの小規模な移動や、季節的な深場移動が知られている。地着魚と移動魚がいる。

周年漁獲されるが、特に4月〜12月が多く、定置網や刺網などで漁獲される。


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4.利用
肉質は白身で、脂肪が少なく歯ごたえがあり、刺身やアライに珍重される。その他、塩焼き、吸い物、煮つけなどで賞味される。日本の漁獲高は4000〜5000トンで瀬戸内海でその半分を占め、ついで1/3が九州の水揚げである。

クロダイの美味しい食べ方
クロダイが最も美味しい時期は潮温低下の時期に釣れる落ちのクロダイで、身が締まって脂も乗っており絶品である。現地から持ち帰る際には、クロダイの身に血が回らないように必ず活き締めの処理を行うこと。

大物が釣れたら魚体を生かした大皿料理を造ってみよう。
その代表的な料理が「姿造り」である。頭部と尾びれ付きの中骨に刺身を豪快に盛り付け、穂ジソや大葉、海草等の薬味と、つまとを盛り付けると、見た目にも豪華な「姿造り」の出来あがりである。

またクロダイの酒蒸しも美味しい料理だ。クロダイに細切りにした白髪ネギを乗せ、セイロを使って酒蒸しにして、紅葉おろしとともにポン酢で食べる。上品な味で、箸が進むこと請け合いだ。

刺身で残ったアラの調理方法だが、カマ付きの頭部は甘辛醤油で煮付けた「カブト煮」のほか、粗塩を振ってやく「カブト焼き」になる。頭部や中落ち全てを使って「カブト煮」と同じ調理方法で料理すれば「あら煮」ができる。またダシを取って塩で味を整え、白髪ネギをちらすと「潮汁」の出来あがりだ。

残った刺身は醤油に漬け込んで漬けの刺身ができる。これを暖かいご飯に乗せ、焼き海苔とワサビを乗せ、熱湯や番茶を注いだお茶漬けも絶品だ。これに潮汁で残った汁をかけても美味しく頂ける。

またクロダイの切り身の空揚げは、ビールによく合う。

冬場には鍋に使ってみよう。水炊きから醤油味、味噌仕立てとなんでも美味しく頂けます。


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5.地方名
チヌ(日本全国)
チン(東京、九州)
チンチン(東京)
チヌダイ(関西)
ババタレ、オオスケ(大阪)
カワダイ(福井、石川)
カイズ、ケイズ(若幼魚:三重、和歌山)
チンダイ(下関、浜田)
マナジ(静岡、三重、和歌山)
クロチヌ(高知)
チンカク(壱岐)
クロ(玄海、有明海、宮崎、鹿児島)
チンソイオ(鹿児島)


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6.新着情報
  
夏場の餌取りをかわすのに有効な餌の紹介(堤防/磯釣り
サナギ 三浦半島ではクロダイ釣りの餌取り対策として、最も多く使用されている。コマセ用ミンチと一緒に使うのが基本だが、サナギ粉を含んだ配合餌を使う場合は、単体でも使用可能。魚の大きさによって針に刺す粒の量を調整する。サナギは海水に浮くものがあるため、針に重りを巻くなどの対策が必要。
ネリエ 最近、脚光を浴び始めた餌。針に刺しやすく比較的安価。比重が重いことからクロダイの棚まで一気に送りこめる。
貝類 磯場にいるジンガサ、カラスガイ、イガイ、フジツボ、カメノテ、パイプ(カンザシゴカイ)等、ほとんどの貝類がクロダイの餌になる。貝類ではないがイソギンチャクも餌になる。釣り場によっては採取を禁止している所もあり注意が必要である。
カニ ウミタナゴ、ボラ、アジには有効だが、カワハギ、ベラには格好の餌となる。
コーン 缶詰めのスイートコーンが餌取り対策に有効。針サイズに合わせ刺す粒の数を調整。コーンしか食わないが日があるので持参したい餌である。
スイカ ほとんどの魚に有効。

かかり釣りの餌等について

代表的な餌は、ボケ、アケミ貝、オキアミ、コーン、練り餌、シラサエビ(モエビ)、カキ(冷凍)、サナギミンチ(冷凍)、生サナギ、イガイである。釣行前に船宿へ釣れている餌を確認して、持参する餌を絞り込むといいだろう。
針は餌の色に同調するものを選んで使うことが基本である。ボケならガマ改良チヌ5号金針、アケミ貝ならクロの5号か6号、シラサエビ(モエビ)ならクロの1〜3号を使う。オキアミの場合は小さ目の金針を使うとよい。
朝一番のポイント作りには、荒割したアケミ貝やイガイをダンゴに握りこんで3〜5個打ちこむとよい。あとは打ち返しを繰り返しチヌを寄せておく。
打ち返しのダンゴへは、その日に使用するサシ餌を少量包みこんでおくと、実際の投入時に食いがよくなる。

水深の浅いところであれば、荒割りしたアケミ貝やイガイを直接上撒きすと効果的である。ただし潮が早い時はポイントがぼやけてしまうため、ダンゴへ入れるようにする。
ダンゴの水分量だが、水分が少なめのパサパサしたダンゴは、海底で海水を吸いながら自然に崩れていく。握り加減で海底で割れる時間をコントロールでき、強制的にダンゴを割る必要がないため、サシ餌が浮くことを防止できる。

水分が多いベトベトダンゴは自然に割れにくいから、釣り手が意識して割ってやる必要がある。このときにサシ餌が浮いてしまうデメリットがあるが、ダンゴを強く握る必要がないため、腕が疲れないメリットがある。


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7.乗っ込み黒鯛攻略方法
(フィッシングライター高木道郎氏の書引用)
 三浦半島編

7.1.乗っ込みとは、産卵を控えた魚が深場から浅場へしてくることを言う。普段は単独行動が多い大型黒鯛も、この時期は大きな群れを作り、浅場で活発に餌をとる。乗っ込みはある日突然始まる訳ではなく、水温の変化とともに群れ単位で行動を開始する。

黒鯛の産卵開始適水温は15〜16℃で、産卵終了適水温は20〜24℃と考えられている。黒鯛が乗っ込みを開始する、つまり浅場へ移動を開始する適水温は14〜15℃と予想されている。

三浦半島の水温が14〜15℃を維持するようになるのは、3月下旬から4月上旬で、乗っ込みらしい釣果が目立ち始めるのもこの時期である。この乗っ込みの時期はソメイヨシノの桜前線の動きとほぼ一致する。乗っ込みの盛期は桜の花が花吹雪となって散る時期で、乗っ込みが終了する時期は6月初旬から中旬である。

最近では1月〜2月に抱卵したクロダイが浅場で爆発的に釣れたり、6月〜7月に抱卵したクロダイが釣れたりと乗っ込みにメリハリがない現象が出始めているが、これは水温変化の異常(異常気象)と、一年中釣り人により撒き続けられるコマセの影響かも知れない。

7.2.乗っ込みのタックルだが、乗っ込み初期と盛期、後期の違いで使用するタックルや仕掛けは替える必要がある。初期は水深がある深場を中心に攻めるため、仕掛けは10〜15mという深場にも対応できるように移動仕掛けとし、重めの仕掛けを強風の中でも容易に遠投できる1号クラスの竿が必要だ。道糸は仕掛けが早く沈むように細仕掛けを使う。
盛期は障害物の多い浅場を狙うため、ハリスも道糸も太めにする。竿は胴に乗ってタメの効くほうが使い易い。
あくまでも40〜50cmをターゲットにした場合のタックルと仕掛けにしたい。ハリスは1.2号〜1.7号を使いたい。
春の黒鯛は、重い仕掛けで付け餌を落ち着かせ、誘導部分を引き戻しながら穂先で当たりを取る。乗っ込み黒鯛は動きが鈍く、ウキに明確なアタリが出にくいことが多いため、遊動ウキ仕掛けにして、道糸を引っ張ったり引き戻したりして居食いアタリをキャッチしよう。

7.2.乗っ込み黒鯛攻略10ケ条
その1 桜の開花予想に注目!
黒鯛乗っ込み開始の適水温は14〜15℃、ソメイヨシノの開花日とほぼ一致。桜前線情報に注目すること。
その2 乗っ込み時期によって条件が異なる!
乗っ込み盛期の浅場狙いの場合は向かい風でサラシがあったほうが条件として良いが、乗っ込初期は水温が低下するため、サラシは少ないほうが良い。
その3 海草、砂地、岩礁帯がキーワード!
早春にウミタナゴが釣れ盛った場所が、そのまま乗っ込みクロダイのポイントになりやすい。・アラメ、カジメなどの海草が繁茂した砂地混じりの岩礁帯に沈み根が点在する水深2〜4mの浅場が好ポイント。そういう場所にある消波ブロックが入った堤防などは一級ポイントとなる。
その4 浅場狙いは大潮回りの干潮を利用!
いつもは浅くて釣りにならないような場所が最高のポイントになることもある。干潮時浅場は大潮回りの干潮時を利用して釣りへ出かける。ただし、潮が満ちてきて帰れなくなることがあるので、潮位には最新の注意が必要である。
その5 沖磯より地磯が基本!
乗っ込みクロダイは地磯または地磯に近い離れ岩がポイントになり易い。ただし
乗っ込み初期は地磯より沖磯を狙う。
その6 春の黒鯛はコマセに居着く!
新しく消波ブロックが入れられた場所、沖にワカメ棚がある所、遊漁船が多い漁港の船揚げ場、釣り人が連日コマセを撒いている場所は要チェック。海が荒れてて2〜3日竿を出せなかった人気の釣り場は弟一投からヒットしてくる可能性がある。
その7 配合餌は比重にばらつきを!
乗っ込み期の黒鯛は中層まで浮いてくるため、コマセは配合エサを利用して比重にばらつきを持たせ、中層で拡散しやすくする。オキアミの量は少なめにして、エサ取りが少ない時は撒き過ぎに注意。
その8 沈め探り釣りが効果的!
乗っ込み期の黒鯛は動きが鈍いため、付けエサを口にしたあとのウキの反応も小さい。そこで、なるべく細身で高感度の棒ウキや立ちウキを使う。または円錐ウキに水中ウキを併用して積極的に誘いをかけながら居食いのアタリを拾う。
その9 海草が密集したハエ根に注目!
ハエ根に海草が密生しているところは一級ポイント。ウキ下はあまり深くせず、付けエサが海草のちょっと下へ入るようにウキ下を設定する。コマセはハエ根の上にパラパラと広げて撒くのがコツ。
その10 夕マヅメに満潮が重なる時がベスト!
時合というのはいつ訪れるか判らないが、一般的に言えるのは、 乗っ込み初期は午後2時頃から夕マズメ、 乗っ込み盛期は日中、 乗っ込み後期は朝マヅメと夕マヅメに時合が集中しやすい。この時間帯に満潮が重なる日がチャンスとなり、満潮前後の上げ下げを有効に攻めよう。

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8.仕掛け
1.磯釣り用仕掛け
2.堤防ウキフカセ
3.カセ、イカダ(ダンゴ)
4.浮きフカセ・ダンゴ用仕掛け
5.ブッコミ
6.落とし込み(作成中)







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